(P)バイバイ、紫金山・アトラス彗星!

思えば、子供の頃からずっとこの写真を撮りたかった気がします。
コホーテク彗星、ベネット彗星、ウェスト彗星など、新聞に明るい彗星の情報が出るたびに心躍らせ、そして何の情報も持たない子供に簡単に見えるわけもなく、無念の涙を何度も呑んできました。
待ちに待ったハレー彗星も、なぜかあまり記憶がありません。(あの時は日本からは最悪級に条件が悪かった様)
百武彗星の時にはもうこちらに住んでいましたが、最盛期に高松一帯だけ一週間曇りが続き、社会人のため遠征もできず。引田の後輩の「ボワンと見えました!」という無邪気な報告に複雑な思いをしました。
ようやくその鬱憤を晴らせてくれたのが1997年のヘールボップ彗星でした。夕方に空を見れば「そこにある」、まさに大彗星。しかしそれとてももう30年近く昔のこと。そして当時は赤道儀も持っていなかったので固定撮影で楽しむほかありませんでした。
仕事に忙殺されていつしか天文への興味が薄れていましたが、さぬきこどもの国のプラネタリウムに携わったり定年退職とともに移動プラネタリウムをするようになって、ようやくある程度自律的に星を追いかけることができるようになりました。
最近は「異常気象」が邪魔をしてくれますが、その隙をついていよいよ地球から遠ざかりつつある紫金山・アトラス彗星・・・今日こそは、と、夕暮れぎりぎりに仕事を終えてモータードライブ付きの赤道儀で彗星をとらえました。デジタルカメラになって「スタック処理」も格段に簡単になりました。
そして、ようやくこの一枚・・・苦節50年の夢がかなった一枚です(涙)